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”仙台箪笥”一筋、135年の門間箪笥店
伊達藩の武家の間に発祥した”仙台箪笥”が、その装飾性と堅牢性から改めて近代建築の中で新しいポジションを獲得しつつあります。
創業以来135年、一筋に伝統を守り続けてきた南鍛冶町の㈱門間箪笥店を訪ねてみました。(MAK)
●仙台箪笥は藩祖政宗公の青葉城築城の折、豪華な本丸大広間にふさわしい装飾家具として大工棟梁梅村彦左衛門が創案したものといわれています。
その後、太刀や裃(かみしも)を納める”男物の箪笥”(俗称=野郎箪笥)として武家屋敷に広まり、次第に一般町家や花嫁道具などにも使われるようになったといいます。

門間箪笥店の創業は明治5年。初代門間民治の父親が伊達藩家臣付き下級武士として内職で武家用箪笥をつくっていた経験をもとに、一般家庭向けの仙台箪笥箪笥を考案して販売しました。

明治11年の寅年を記念して自家用につくられたというこの箪笥は、極めて希少な玉杢(たまもく)の木地を用い、”かざり金具”すべてに虎の打ち出しを使った逸品で、今もなお新品のような輝きをみせています。
●終戦後、東北を訪れたマッカーサー元帥夫人に所望され、「この品だけは!」と、お断りしたものだそうです。

優れたデザインセンスを感じさせる虎の"かざり金具"と、いまなお鮮明な木地の玉杢模様。
●お店横手の中庭を過ぎると、門間箪笥店「お誂え工房」の入り口があります。

●工房の間を通り抜けた突き当たりに、欅材を自然乾燥させるための
用材置き場が数ヶ所あります。

使用後の”くるい”を防ぐため製材された欅板は数十年、新しいものでも10年以上は”寝かせる”のだそうです。
●こうして蓄えられた欅材の中には、稀に「ケヤキ玉杢」と呼ばれる渦巻模様の独特の木目をもつものがあります。

この木目は木の根元ではなく幹の部分にあるそうで、なぜそうした模様がうまれるのかはいまもってわからないといいます。
●いま近代建築の中で、”仙台箪笥”の様式美が改めて見直され、倉庫などに眠っていた古い箪笥が次々と門間箪笥店に持ち込まれています。

欅材で堅牢に造られた仙台箪笥はここで見事に生まれ変わり、実用性のある新感覚のインテリアとし再登場しています。
●”かざり金具”を外し、鉋(かんな)をかけて補修が加えられた塗装まえの古箪笥。


箪笥は一旦ばらしてから、一枚、一枚丁寧に鉋(かんな)がけをし、美しい木目を再生させます。

外した”かざり金具”は洗ってゆがみを直し、形を整えます。

本体も引き出しも綺麗に磨き上げてから、漆を塗ります。
●仙台箪笥の漆塗りは”仙台木地呂”と呼ばれる独特の手法で、5回から6回、塗るたびに”むろ”にいれて2~3日乾かしては磨き、最後に上塗りをしたあと鹿の角粉を手につけて磨きあげるといいます。欅の木目が透けてみえる透明感がこの手法の特色です。
●昔の製品は外側が欅のムク、内箱には杉を使っていますが、気密性が高く冷暖房を使う現代の室内では、どうしても固い欅板に”くるい”が生じてしまいます。
そこで、最近げは”突き板”という欅と桐の張り合わせ材を外側に用いています。
●”突き板”は温度、湿度の変化に対応力のある桐の特性を利用して固い欅板のゆがみを防ぎ、内箱にも桐を使うことで箪笥全体の対乾、対湿力を高めています。

重しを掛けて締め付ける”突き板”の張り合わせ。
●いま制作が進められている特注の大型箪笥では、内張り、引き出し部分のすべてに厚手の桐材が使われていました。

●贅沢な素材を存分に使い、全工程が熟練技術者の手で日数をかけてつくられるこうした製品はもちろんかなり高価なものとなります。
タイプにもよりますが、ごく大雑把にいえば高さ85センチ、幅115センチほどのもので300万円を切るくらいが目安なのでしょうかー。

●しかし、もちろん”高嶺の花”だけではありません。
お部屋に置くシックな飾り物、便利な小物入れとしてつくられている可愛らしい小箪笥もあるのです。

贈答などに良く使われている「牡丹金具付き一つ抽」
(幅20,2×高さ11,5×奥行21,2cm)は39,900円です。
●仙台箪笥の姿、形は昔から北前船で使われたという”船箪笥”と良く似ているといわれますが、一方は「水に浮く銭箱」として桐材で軽く小さくつくられ、一方は武士の太刀や衣装を納めるものとして大きく頑丈につくられてきた発祥の違いがあります。
●材料となる欅、杉、漆などが東北の山野にたくさん自生していたことも仙台箪笥の普及に一役買っていたことでしょう。特徴の一つである豪華な”かざり金具”が加わったのは恐らく江戸末期からではないかともいわれています。
仙台市若林区南鍛冶町:㈱門間箪笥店のHP
仙台箪笥伝承館
2007年02月02日 09:07 | パーマリンク |TOPページへ ▲上へ
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コメント (8)
仙台箪笥の伝統をしっかり守っていただいているのを拝見して、本当に嬉しくなりました。
職人さんの育成や、原材料の問題などネックはたくさんあると
思いますが、どうぞ東北風土に根差したこの素晴らしい文化を、絶やさないように頑張ってください。
Posted by: 秋人 | 2007年02月07日 18:50
日時: : 2007年02月07日 18:50
ミモザさん 楽しい沖縄旅行からお帰りなさい。
早速、仙台箪笥の工房をご見学くださるそうで、ありがとうございます。
「仙台シニアカフェ」で見たと言っていただければOKと思いますが、もしご希望日時をあらかじめお知らせいただければ、門間社長または社長夫人にご案内をお願いしておきますので、ぜひご訪問ください。
マッカーサー夫人が欲しがったという130年前の箪笥の緻密なつくりには、きっとびっくりされると思います。
Posted by: MAK | 2007年02月06日 18:58
日時: : 2007年02月06日 18:58
お早う御座います~♪
仙台箪笥の事を詳しく説明して頂き、有難う御座いました。
おかげさまで仙台箪笥の歴史まで知ることが出来きました。
今まではいいな~欲しいな~くらいの興味だけでしたが、
MAKさんの記事を読んでいると、その工房にも行って見たく
なりましたが、取りあえず見学だけでも出来るのでしょうか?
それから前ページの記事、トルコ旅行は3年前に行きましたが、さすが!オスマントルコ時代の面影を感じてきました。
イランの近くまで行って来ましたよ♪
Posted by: ミモザ | 2007年02月06日 07:47
日時: : 2007年02月06日 07:47
仙台タンスの話、懐かしく読みました。
門間タンス屋さんはずいぶん立派になりましたね。
昔の古タンスが再生されて新しい住まいに使われるのは、仙台人としてなにやら誇らしい気もします。
伝統ををしっかり残すのは、職人さんのこともあって大変なのでしょうが、ぜひ頑張って続けて欲しいと思います。
Posted by: T/A | 2007年02月04日 19:43
日時: : 2007年02月04日 19:43
130年も前につくられた箪笥の美しさには、びっくりしました。手入れもいいのでしょうが、やはり塗りがしっかりしているのですね。
けやき板の堅牢さもあると思います。桐箪笥は磨けば綺麗になりますが、すぐに表面がくすんできます。
寿命が長く、独特の様式美をもつ仙台箪笥の素晴らしさを改めて見直しました。
Posted by: 緑子 | 2007年02月04日 12:07
日時: : 2007年02月04日 12:07
本物の家具というのはこうゆうものを言うんでしょうね。
いまどき熟練の職人さんが1点ものをしっかり時間をかけてつくるなんて、「なんとぜいたくな!」と思いました。
とはいえ、100年も楽しんで使えるなら安いのかもー。
優れた工芸品の少ない東北の代表作として、ぜひいつまでも大切に守り続けてください。
Posted by: 伊藤 | 2007年02月03日 21:08
日時: : 2007年02月03日 21:08
仙台箪笥の紹介、すばらしいですね。
こんなにしっかりしたつくりのものとは思いませんでした。
仙台を代表する民俗家具として、市民が大切に守っていくべきだと思います。
100年たっても輝きを失わないない家具を親子代々受け継い使っていく、そうした心がこれからの日本には大切です。
新しい近代ビルにもこのフォルムの美しさはきっとマッチすると思います。
マッカーサー夫人はさすがに目が高かったですね。
Posted by: JUN | 2007年02月03日 16:02
日時: : 2007年02月03日 16:02
「仙台タンス」と聞くと、ゴツゴツと頑丈な田舎タンスを連想するけど、なんと立派な工芸品なんだね。
そのレベルの高い価値を、写真と記事で納得。建築家が注目しているのもわかるような気がする。
でも、庶民には”高値”の花だね。
Posted by: A.A | 2007年02月03日 13:26
日時: : 2007年02月03日 13:26