提案=官学民一体の「仙台ケヤキ並木審議会」創設を!

地下鉄東西線建設に伴う青葉通のケヤキ並木への対処が論議を呼んでいます。
仙台市民の誇りである中心街の見事な「ケヤキ回廊」を長く世に残すために、この辺で長期的な視点に立つ官学民一体の「審議会」を設けるべきではないでしょうか。
(MAK)

「ケヤキ論争」が巻き起こったのは今回が初めてではありません。
10数年前、仙石線の地下延長工事や青葉通×二番丁通の地下道、駐輪場建設工事が行われた折にも、移植賛否の論議が大きな波紋を広げました。

今回は市が一度公表したケヤキ移植案を市民多数の声に押されて撤回したのですが、その民意調査方法の正当性を巡って市民団体が住民監査請求を検討したり、仙台弁護士会が対処方法の再考を求める決議を市に提出したりと、混乱が長く尾を引いています。


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9月19日付け河北新報朝刊に掲載された住民監査請求検討の記事。


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9月22日付け河北新報朝刊に掲載された仙台弁護士会決議の記事。

そもそも仙台市にケヤキ並木が誕生した経緯をみなさんはご存知でしょうか。
河北新報の新聞販売会社、㈱河北仙販の広報紙「ひまわりクラブ」に郷土史家の石澤友隆さんが書いています。

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昭和25年、当時の岡崎市長の大英断で造られた青葉通は歩道の幅が10メートルもある巨大道路で強風が吹くと”砂塵もうもう”。
市も持て余していたようですが、そうした折市議会議員の一人から「仙台営林署所有のケヤキを移植してはどうか」との提案があって、失業対策事業の一環として取り上げられたのだそうです。
仙台駅から西公園まで180本植えられたうち、50本は市議会議員全員の寄付によるものであったとも、伝えられています。


当時市の公園課長を務めていた鈴木光三さんは宮内省の植栽、園芸の仕事に携わっていた公園の専門家だったということで、西洋的な花壇を望む担当助役の反対を押し切ったという陰のエピソードもあったようです。


戦後50余年を経ていまやこのケヤキ並木は市民の大切な、大切な財産ですが、一体、青葉通のケヤキの古木は移植できるものなのでしょうかー

9月19日、東北経済倶楽部の講演で植物生態学者の岩手大学菅原亀悦名誉教授のお話を聞く機会がありました。
先生は前回の仙石線延長工事で卸町東2丁目公園、七北田公園、南中山公園などに移植されたケヤキが3分の2は枯死してしまったこと、また根付いたものも、現状ではケヤキとは思えないほど惨めな樹形になっているのを写真で示されながら、ケヤキの古木が移植に適さないものであることを説明されました。

樹高15メートルを越すような大木の移植といえば時間をかけて慎重に”根回し”をしてからというのが常識ですが、交通混雑の青葉通ではそれも許されず、多くの枝や根を切って、一気に引き抜いて運ぶことになるのだそうです。
これでは”愛するケヤキを助ける”ことにはまったくならないですね。

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地中に深く、広く、頑丈に根を張っている青葉通のケヤキの古木。

一方、10数年前に移植された古木の代わりとして植えられたケヤキの若木は、いま見事に美しく育った姿を私たちの目の前にご披露してくれています。

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青葉通「ダイエー」前のケヤキ並木。

ケヤキという樹種は芯を止めたり、枝などに手を入れたりすると、樹形のバランスを崩して本来の美しさを損ねてしまう(菅原亀悦名誉教授)のだそうです。

並木形成の功労者鈴木光三公園課長さんの「ケヤキは太い木の根を切っていじめるより、高さ5メートルくらいの苗木を植えた方がいい」という体験談も、石澤友隆さんの「ケヤキ並木秘話」に紹介されています。


今回の移植論争では、なぜこうした樹木本来の性質や過去の経験が取り上げられていないのでしょうか。一市民として疑問を感じます。

仙台市の発展と共に、これからも並木の一部に手を入れる事態は折に触れて発生してくることと思います。
しかし、議論の基本となるのはあくまで「並木の美しさを保つ」ことではないのでしょうか。
市のシンボルとしてこれからも長く”ケヤキ回廊の美”を保っていくために、何が優先され、何が必要なのかー。
毎度々々の混乱を防ぐためにも、この機会に行政と植物の専門家と並木を愛する市民有志による「仙台ケヤキ並木審議会」を創設して、みんなが納得できる今後の方向付けをしっかりと論議しておいて欲しいと思います。


「ケヤキ並木は いま」仙台市HP

「青葉通ケヤキ街路樹等に関する方針」<素案>*平成14年11月22日杜の都の環境をつくる審議会に諮問

2007年09月22日 17:26 | パーマリンク |TOPページへ   ▲上へ

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コメント (14)

nana:

あらためてケヤキ並木をじっくりと眺めてきました。
青葉通のものは早く植えられただけあって、定禅寺に比べて幹が見事に太くどっしりとしています。
樹齢も100年前後とか、どう考えても移植は無理があるように感じられました。
10数年前に植え替えられたというダイエー近辺のケヤキも立派に育っていますし、今回は若返りの良い機会とも思います。
切り取ったケヤキ材はどうか市民の目に付くところに活かしてあげてください。

Posted by: nana | 2007年09月26日 17:20

一市民:

今度のケヤキ移植騒動の根っこは”地下鉄東西線”なんだよ。
まだ反対の声が結構強いからケヤキ伐採を言い出せなかった。現場は全面移植の無理を承知していたはずだが、政治判断で予算を組んだということ。
結局7本移植でかろうじてメンツを保った格好だが、本当はこれも無駄遣いだ。

Posted by: 一市民 | 2007年09月25日 12:10

緑子:

全国の自治体がみな財政難に苦しんでいると聞きますが、仙台市だけは別格なのでしょうか。
今回のケヤキ移植騒動では、大きな経費が十分な事前審議もなく支出される市政の現状がうかがえて、誠に残念な思いがしております。
市民が誇りとしている並木の維持については、もっと長期的な計画を持ってしっかり取り組んでいただきたいと思います。

Posted by: 緑子 | 2007年09月24日 14:26

yuu:

寄せられた沢山のご意見はいずれももっともだと思うものばかりです。並木に対する市民の強い愛着が感じられます。

平成14年に出された仙台市の諮問案は問題点を良く整理しているように思えるのですが、それにしては今回の提案は最初から軌道を外れている上に、ずいぶん乱暴なアンケートの結果で対応を締めくくってしまったのは納得がいきません。
「ケヤキ並木保全政策」の基本姿勢がまったく見えてきません。

44本中、7本だけを移植するそうですが、木を”いじめる”ことなく綺麗な形で移すことができるのでしょうか。
伐採する44本を”市民の財産として有効に活かす”案は固まっているのでしょうか。

市のムダ遣いを責めるのもさりながら、私は”伐採されたケヤキの有効活用を求める”市民運動があってもいいのではないかと思います。

Posted by: yuu | 2007年09月24日 11:54

S.S:

市のHPに掲載されている平成14年の諮問案を読みました。
この欄にコメントされている各氏のご意見と同様のことがかなり盛り込まれているように思います。
それなのに何故今回のような提案がなされたのでしょう。

諮問案では移植の可否は生態学的見地等を十分に勘案し、としているのに今回の当初案は”全面移植”でした。
過去の移植25本中8本が成功とも書かれていますが、三分の一の成功率で、しかも、”成功”とされた木が欅本来の美しい樹形を保っているのかどうかは明らかでありません。

伐採後は市民のアイデアを募り材として有効活用を検討するとありますが、今回はその動きもまだありません。

マスコミ各社も「ケヤキ問題」については、断片的な報道だけでなく、過去の事例をしっかり検証した議論をお願いしたいと思います。

Posted by: S.S | 2007年09月24日 09:57

友:

伐採された欅を惜しむ市民の心情に応えるために、その活用策を広く公募してはいかがですか。
学校教育の場や市民の憩いの場所での利用など、長年私たちの目を楽しませてくれた見事な樹木が身近に再生される姿を見ることは誰にとっても嬉しいことだと思います。

Posted by: 友 | 2007年09月24日 08:17

菅原:

仙台市の行政当局の方々はもっと「ケヤキ並木」を大切に考えるべきではないでしょうか。
市の中心部にこんな素晴らしい緑のアーチをもっている都市なんて、日本中どこにもないのですから・・・。
行き当たりばったりの対処でなく、先達の方々が築き上げた貴重な財産をしっかり守る意識をもって並木の保護、育成に力を入れて欲しいと思います。

Posted by: 菅原 | 2007年09月23日 21:09

健児:

ケヤキ問題は事あるごとに議論した方がいいと思います。
この素晴らしい景観は市民の尊い”財産”です。
みんなが関心を持ち、発言することが大切なのです。

市の植栽管理担当部門はもっとしっかり勉強して、市民に正しい判断資料を提供し、意見を集約すべきです。
移植がどのように行われるのか、結果としてどのような成果が見込まれるのか、みんなが理解したうえでの賛否を問うべきだと思います。

市民アンケートの内容も含めて、今回は余りにも稚拙な行政側の対応が市民の不信を買っていることは、誠に残念です。
ケヤキ並木の将来を守るためにも、市民や専門家を交えた公開の議論を求めます。

Posted by: 健児 | 2007年09月23日 20:36

SIMA:

仙台市のホームページを見ると、七北田公園に移植されたケヤキは立派に根付いており、「杜の都の環境をつくる審議会」が今後撤去するケヤキは公園等に移植することを基本とすると決めたとあります。
一方、同じ頁の中で宮農短大の日比野教授が「今後の整備を早めに検討することが必要」とも述べています。

移植が本当に成功しているのかどうか、今後の並木整備をどのように考えているのか、市当局はこの機会に市民に詳細を公表すべきだと思います。

Posted by: SIMA | 2007年09月23日 18:05

AN:

言われてみればあの大きな木をほかの場所に移すなんてとても無理な話ですよね。
梅原市長さんが「ケヤキの声を聞いた」とかいうのは、どういうことだったんでしょう。
枝や根を切って余生を惨めな形で過させるなら、いっそ良質の木材として新しい命を与えてあげる方がよっぽど良いのではないでしょうか。
地下鉄のために掘り起こすことが必要なら、並木全体のバランスを考えながら良い苗木を後に植え込んで、10年後の景観再生を待つ気持ちがあっていいと思います。
市民もきっと理解できるはずです。

Posted by: AN | 2007年09月23日 17:28

一市民:

ケヤキ並木審議会の創設賛成です。
大体、移植したケヤキがみなダメになっているのに巨費をかけて移植する案を市が提案するなんて馬鹿げています。
市の公園課に判断できる人材がいないのなら、専門家にまず相談して意見を聞くべきです。
市民はみなケヤキ並木を誇りにしています。
工事の都度あれこれ騒ぐことのないように、審議会で長期計画を練って、万全の策を講じてください。
今回の騒動にはあきれ果てています。

Posted by: 一市民 | 2007年09月23日 14:59

碧:

ケヤキ並木は仙台の宝です。孫子の代まで大切に守り育ててほしいと思います。
戦後60年近くにもなりますから木も相当に弱ってきているのではないでしょうか。
「切る」、「切らない」ではなく、美しい今の並木をどうしたら保っていけるるのかー。
若い苗木を育てて部分的、段階的にに古木と入れ替えていく、長いスパーンの計画をぜひ考えてください。

Posted by: 碧 | 2007年09月23日 13:25

S/Y:

政治的な思惑で発言する人もいるのだろうけど、今回の移植騒動はまったくわからないことが多いね。
市には植栽の専門家もいるのだろうに、何故全面移植という無理な提案が出されたのだろう?。
市民団体が指摘するようにアンケートの設問もおかしい。
こんないい加減な施策で市政が進められるかと思うとうんざりしてしまう。

Posted by: S/Y | 2007年09月23日 12:58

吾朗:

過去の移植実績に思いが及ばなかったのは迂闊だった。
あの大木を引き抜いて移すのだから、そのままの樹形を保って新しい場所に活着する訳が無い。
仙台市は地下鉄東西線無用論に飛び火するのを恐れて伐採を言い出せなかったのだろうが、問題はまったく別。この機会に今後の長期展望に立ってケヤキ並木の保存、育成案をまとめるのは大賛成だ。

Posted by: 吾朗 | 2007年09月23日 11:07

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