梅雨入りを前に”ぶらり九州の旅”

昨秋のホールインワンで日航さんからいただいた航空券を活用して、梅雨入り直前の九州に出かけてきました。
3泊4日の駆け足ながら新発見も幾つかあって楽しい旅でした。(MAK)
=写真は熊本城の遠望=

仙台空港9:45am発JAL3530便に搭乗、11:45am福岡着。
福岡~熊本~霧島~鹿児島を回り、福岡4:45pm発のJAL3537便で6:35pm仙台に帰って来ました。

初日は、中洲のど真ん中にあるエクセルホテル東急に宿を取り、早速街に出かけました。


「であい橋」から眺めた中洲風景。心なしかややしおれ気味?。


一方ビジネス街には大きなビルが立ち並び、”大都会”の雰囲気を
感じさせるようになっていました。


仙台のループルバスのように市内の観光拠点を周遊する
「グリーンバス」を利用してみることにしました。


乗ってびっくり、お客さんは二人だけ。運転手さんが親切に目的地の案内をしてくれましたが、ウイークデーとはいえこれは一体どうしたことなのでしょう。


全市を一望するために、ヤフードームに隣接する高さ234mの
「福岡タワー」に行きました。



可愛らしいエレベーターガールさんが迎えてくれましたが、ここも人影まばら。梅雨時が近いせいでしょうか。


川をまたいで走るハイウエーの曲線が素敵ですね。



海側を見下ろすとモンサンミッシェル気取りの人工島に豪華な建物。
最近各地に出来ている映画スタジオもどきの結婚式場だそうです。


城跡につくられた都心部の緑地「大濠公園」。
たくさんのベンチ、遊歩道、ジョギングコース、サイクルロードが
整備され、清潔で気持ちの良い空間をつくっていました。



公園の一隅に建てられた「市美術館」。展示室の入り口前に大きな力士像が飾られていました。小錦関のようにも見えますが、表示は作者名のみでした。



諸橋近代美術館でお馴染みのダリの大作が1点目に付きましたが、あとは地元作家のものが多く、少々当て外れ。


リーフレットに載っている宮本武蔵の「布袋見闘鶏図」の展示位置を聞いたら、展示しておりませんとすげない答えでした。


劇場や一流ホテルを取り込んだ超大型のショッピングセンターとしてかつて話題を撒いた「キャナルシティ」に寄ってみました。
週日の午後のせいかやはり人影が少なく、ブランドショップが軒を並べる一角も、劇団四季の常設劇場として館内につくられた「福岡シティ劇場」の周辺も、閑散としていました。



意外だったのは福岡の人たちの服装。われわれ東北人なら半袖で十分の気温なのに、ほとんどが長袖のものを羽織っています。ファッション感覚の違いかもしれません。


夜は中洲の”ふぐ屋”に出かけました。もちろん冬が旬のものですが、福岡では通年で食べられるそうで、「”ふく”は産卵後の体力が回復した今の時期が脂が少なく、身がしまって美味しい。」というフレンチシェフの話が地元のガイドブックに載っていました。


ふぐ刺し、白子茶碗蒸し、唐揚げ、ちり鍋、雑炊の”活虎ふぐコース”は、お値段もそこそこで十分に満足できました。


2日目は新幹線「つばめリレー号」に乗って熊本に移動しました。


「つばめ号」の鋼鉄色に輝く黒い車体にまずは驚かされました。わが東北新幹線とはまるで違う硬い雰囲気です。


先頭車両に回ってみるとまるで装甲車のようないかめしさ。


一歩室内に入ってみると、シートはゆったりと大きく左右2列。飛行機のビジネスクラスを連想させるつくりです。


指定席車両の半分ほどが4人席のテーブル付き個室になっているので、車掌さんに訳をきいてみると「ご家族やお友達のグループに使っていただく席」ということでした。
同じJRでも会社によって車両の設計思想がこんなにも違うものかと思いました。


熊本キャッスルホテルは窓から熊本城が正面に見えるだけでなくお部屋も設備もよく整備され、従業員のサービスも行き届いていてとても快適でした。



タクシーの運転手さんのアドバイスで、まずは「水前寺公園」(正式名称は水前寺成趣園)へ。
肥後細川藩の造営によるこの美しい庭園には歴代藩主を祀る出水神社が設けられ、有名な細川ガラシャ夫人なども合祀されているそうです。


あいにくの雨でしたが、富士山を模したというご自慢の築山も辺りの緑に囲まれて美しい姿を見せていました。


かつては熊本観光の目玉の一つとして大勢の団体客で賑わっていた公園入口のお土産店街も最近はさっぱりとかー。雨戸を立てている空店も多く見られました。


熊本城に入る地下道は梁、柱とも見事な巨木に支えられ、戦闘の場にふさわしい重厚な構えが感じられます。


西南戦争直前に消失し、昭和35年に復元さてたという大小の天守閣も気品のある美しい造形ですね。


火災をまぬがれて創建時の姿を今に残す有名な「宇土櫓」(国指定重要文化財)は、内部を修理して平成元年から一般公開されています。


観光用に54億の巨費をかけて復元された本丸御殿では豪華な城内の藩主居室、対面所などを見ることができました。



壁面に中国漢の時代の絶世の美女王昭君を描いた豪華絢爛な「昭君の間」は、実は「将軍の間」の隠語で、豊家の忠臣加藤清正が万一のときに秀頼公をここに迎え入れるつもりであったといわれているそうです。



城内の一角にある熊本県立美術館を訪れました。


熊本出身の大作家井手宣通さん(元日展理事長)の秀作「葵祭」が展示されていました。さすがに見事な素晴らしい作品です。
ほかにルノアールの小品が1点、入り口付近にはロダンの彫刻も飾られていました。



案内リーフレットに印刷されている第1回文化勲章受章者横山大観さんの「焚火」は、展示お休み中とかで見ることができませんでした。



宮本武蔵の「鵜図」も、残念ながら絵葉書を買っただけ。
目玉作品はどの美術館も小出しに展示するものなのでしょうか。



「宮本武蔵の書画を集めた小さな美術館があります。」というタクシー運転手さんの案内で、住宅地にひっそりと立つ個人蒐集の島田美術館を訪ねました。
展示品はかつて熊本武蔵会の会長を務めた島田真富という地元の素封家が、生前に集めたものをすべて一般公開用に寄贈されたものだそうです。



入館するとすぐ、高さ1メートルほどもある大きな宮本武蔵晩年の自画像が目に付きました。
武蔵は肥後の太守細川越中守忠利の招きを受けて57歳の年から熊本に移り住んだそうで、兵法書として有名な「五輪書」やたくさんの著作、絵画などをここに残しています。


見事な筆致でモズの鋭さと秘めた闘志をさりげなく描いた武蔵の秀作「古木鳴鵙図」。


雁が大きく羽根を広げて辺りをうかがう「芦雁図」。


武蔵が弟子に与えた「覚書」(真筆)。
田舎出の一遍の武辺者として剣法一筋にに打ち込んできた武蔵とはとても思えない堂々たる書画です。
師を得た様子はなく、書も絵もすべて自己流の練成によるというのですが、鬼才はすべてに通ずるということでしょうか。武蔵の晩年に思いを馳せたひとときでした。
(写真は購入した絵葉書からの転写です。クリックで拡大してご覧になれます。)


夜はかねてインターネットで調べておいた馬肉料理の専門店「菅乃屋」に行きました。
業界の新興勢力とかで、なるほど今風のデザインのしゃれたお店でした。



最初に注文したのはもちろん”馬刺し”です。
特上の”しもふり”と、「熊本にこにゃあ食べられんけん。」といわれていた”コウネ”(たてがみ下の脂)をしょうが醤油で球磨焼酎と一緒にいただきました。


2番目は”特選盛り合わせ”の石焼セット。
ロース、舌、心臓にフタエゴ(ばら肉の一部分?)、ヒモ(ばら肉とあばらの間の肉)など珍しい部位の肉を焼肉プレートで焼き、おろしワサビを入れた塩タレでサッパリと食べます。



仕上げは”握り寿司”です。もちろん具はすべて馬肉。
口当たりのいいトロ、しもふり、やわらかい赤身、それに刻みを入れて軽く炙ったタンやレバーなど、飽きることなく全コ-スを美味しく平らげました。
馬肉は極上といっても和牛と違って目の玉が飛び出すほどのお値段ではありませんし、脂肪分がアッサリしているのでどの部位も淡白で食べやすく、本当にその美味を堪能できました。
(この料理、なぜ熊本だけなんでしょうね?)



夜の熊本中心街のアーケード。どこも似たり寄ったりですね。


3日目は、趣向を変えJTBライナー「熊本・人吉・指宿号」という観光バスで鹿児島に向かうことにしました。


最初に案内されたのは、昔熊本~鹿児島を繋ぐ要路として栄えた人吉を代表する町の味噌醤油老舗「釜田醸造所」です。



奥行き100メートルの古い工場で昔ながらに行われている味噌、醤油の醸造の様子を見学しました。



売店にはお土産用に作られた漬物などの加工食品がたくさん並べられていましたが、仙台味噌の本場から来た私にはなんとなく縁遠い感じでした。大体、九州の味噌汁は薄甘くて感心しません。


創建1200年の歴史をもつ人吉の誇り国宝「青井阿蘇神社」。古びた茅葺屋根の現存社殿は400年前に造営されたものだそうです。



本殿もやや小ぶりで、今様の豪華な大神宮とは違いひっそりとした佇まいです。



境内にある「招霊(おがたま)の木」。
モクレン科の常緑樹ですが、枝葉がすべて天に向くということで古来から榊(さかき)などとともに神前に供えられ神聖な木として扱われてきたようです。


天に伸びる縁起の良さから、この「おがたまの木」が1円硬貨の裏面にデザイン化されたそうで、木の近くにその旨を記した看板が立てられていました。



更に、「君が代」に歌われる”さざれ石”こそこの石ですと、境内一隅にある二つの岩塊を見せられましたが、調べてみるとこの種の”さざれ石”(石灰質角れき岩)は京都のお寺や岐阜県、三重県にもあって
いずれも歌詞の由来を主張しているようです。
ユーモラスな本家争いとでもいうところでしょうか。



人吉物産館の横に「人吉馬ーガー」と書いた奇妙な看板を掲げた売店がありました。
一体何を売る店でしょう。近づいてみて初めて正体がわかりました。馬肉を使ったハンバーガー、つまり”馬ーがー”なのです。考えてみれば人吉も熊本県、馬肉の本場です。
でも、人気がないとみえて人だかりはありませんでした。



鹿児島県に入ると、早速焼酎工場「錦灘酒造」に案内されました。
昔薩摩藩が幕府に献上したものを復元したのがここの製品「薩摩自顕流」だそうです。
会長さん自身が自顕流野太刀の師範だそうで、工場内ご案内の女性達も白衣に袴姿という凝りよう。
昔の醸造と、現代醸造の設備が比べて見られるようになっていました。



大相撲の横綱「武蔵丸関」が今もって鹿児島の誇りである「西郷ドン」にそっくりであるということで、払い下げを受けたその優勝額が売店ホールに高く掲げられていました。


ここには友好関係にあるスロバキア人経営のレストランも併設されており、スロバキアビールの醸造も行っていました。毎年本国から女子学生たちが交代で来日し、アルバイトかたがたレストランを手伝っているそうです。



次は、これも特産の「黒酢」(くろず)工場です。海沿いの日当たりの良い丘陵地に、「くろず壷畑」情報館の看板がありました。



情報館は背後に山を背負い、前面に広い芝生の庭を配したモダンな建物です。



海側の斜面に並べられたおびただしい数の「くろず」の壷。


醸造の原材料は米と水。そこに伝来の黄麹を加えて写真の壷に入れ、さらに蓋をする直前に水面に黄麹を薄く撒いて皮膜をつくり、そのまま戸外に晒して最短で1年、高級品は5年寝かせてじっくりと発酵させていくのだそうです。


壷畑jから海沿いに櫻島を半周。大正初期の大噴火で陸地に繋がった現場をを経て、フェリーボートで対岸の鹿児島市に渡りました。
青空の下、噴煙がかすかにたなびく桜島の姿はまさに絵葉書のように美しく見えました。


鹿児島からまた折り返す形で、列車で霧島山地に向かいました。
6世紀に創建された高千穂信仰のメッカ「霧島神宮」は駅から車で10分ほどのところにあります。
もともと火山地帯にあるため何度も消失、再建を繰り返しているので現在の建物自体は300年ほど前のものだそうですが、天祖天照皇大神の天孫「ニニギノミコト」や「コノハナサクヤヒメ」などが主祭神ときくと、なにやら神代の時代にタイムスリップするような気がしてきます。


参拝を終えて霧島温泉に向かう途中、道路脇に水量豊富な滝がありました。なんとこれは余った温泉水を水と一緒に流しているもので、火山地帯だからお湯はもてあますほど出ますと、案内の方が話していました。



宿の窓から外を見下ろすとたくさんのお宿のどの棟からも温泉の白煙が上がっていてなかなか壮観です。


鹿児島駅で帰りの「つばめ号」をみたら、福岡からの”黒いつばめ”が”白いつばめ”に変わっていました。



念のため先頭車両を見ると、お定まりのロングノーズ型です。
福岡までの途中、八代駅でまた”黒つばめ”に乗り換えることになったところをみると、どうやら新幹線ルート全線開通までの暫定措置のようです。何年か後には九州新幹線もわが東北同様の”長鼻族”に切り替えられるのでしょう。


それにしても、”白いつばめ”の車内は木目の背板にクッションを貼り付けた明るいゆったり構造で、片側3列の狭苦しい東北型とはかなり違う雰囲気でした。



九州、特に北九州で痛感したのは韓国、中国との強い結びつきです。
つばめ号の車内案内板には日本語のほかに、英語、韓国語、中国語が列記されていましたが、福岡ではバスの車内放送も常時日本、韓国、中国の3ヶ国語で行われていました。
大陸に近いためでしょうか、英語の併記がやっと始まった仙台とは国際感覚がずいぶん違うように思いました。


熊本ホテルキャッスルHP

熊本の馬肉料理店「菅乃屋」HP

2009年06月14日 18:44 | パーマリンク |TOPページへ   ▲上へ

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コメント (10)

こんばんは~♪
私も長い旅から帰ってきて、多忙にしていまして出遅れてしまいました
九州旅行のレポートを楽しく拝見いたしました。
福岡→熊本→霧島→鹿児島の中で霧島はまだ
行った事がなく興味深く見ていました。

美術館やグルメで楽しまれている様子が
よく伝わってきます(^^♪

宮本武蔵さんにも最近、すこしずつ興味を
持ち始めた所です。
武術ばかりではなく、絵にも書にも優れていたのですね。
いつか行ってみたいです!

Posted by: ミモザ | 2009年07月09日 21:44

H.K:

梅雨の晴れ間で、本日は少し暑いくらいですね。
九州旅行の長編レポート、楽しく拝見いたしました。
途中、日替わりでレポートが変化していくのも面白かったです。

Posted by: H.K | 2009年06月24日 16:29

啓三:

何かきっかけがないと国内旅行に出かけることもないけど、
ホールインワンのオマケとは羨ましい。
お互いにいつまで元気でいられるかわからないから、好きなものを食べてのんびり旅をするのは最高の幸せだね。

Posted by: 啓三 | 2009年06月23日 19:41

DON:

1円玉の裏に木の葉っぱのような模様があるのは知っていましたが、ご神木のデザイン化とは初耳でした。
6世紀創建の神宮があったり、やはり九州は”天孫降臨”の地なんですね。
好天に恵まれ、美しい桜島も見てご満足されたことでしょう。

Posted by: DON | 2009年06月21日 19:33

緑子:

熊本城の宇土櫓、水前寺公園、懐かしく拝見しました。
雨のようですが、かえって情緒があってよかったのではないでしょうか。
ただ、お城も公園も観光客がすくないようで、少し淋しく感じました。
不況のせいなのか、新型インフルエンザの影響なのか、旅行者が減っているのが気がかりです。

Posted by: 緑子 | 2009年06月20日 17:32

iSEN:

すっかりご無沙汰いたしております。
大変残念です。福岡にこられたら必ずご連絡下さい。
元気な姿をお見せできぬが残念です。チョット強がりですが。
私も今年4月に古希を迎えましたが、今からだといきがってます。
私のホームページを少し覗いてみてください。

Posted by: iSEN | 2009年06月19日 20:28

A.A:

国内旅行は久し振りかな?
ずいぶんたくさん写真を載せたね。
宮本武蔵の書画というのはあまりお目にかからないが、
九州は最後の地だけあっていろいろ残っているのだろう。
独学にしては立派なものだと思う。
相変わらず”ふぐ”だの”馬刺し”だの、食べ物に目がない
ようだが、年も考えてほどほどに。

Posted by: A.A | 2009年06月19日 20:24

健児:

暫くご無沙汰と思っていたら九州旅行でしたか。
ホールインワンのご褒美とは幸せな・・・。
ずいぶん詳しいレポートですが、一番お気に召したのは
どうやら馬刺し料理のようですね。
旅は景色か、名物か!。花より団子でしょうかー。
山形や福島にも馬肉を出す店はありますが”霜降り”は
あまり見たことがありません。
熊本だけで馬肉料理が発達した理由も知りたいところです。

Posted by: 健児 | 2009年06月18日 16:14

菅原:

興味深く拝見しておりますが、次々と追加が入るのですね。
きっと整理するのに時間がかかっていらっしゃるのでしょう。
これからの展開も楽しみにしております。

Posted by: 菅原 | 2009年06月18日 11:28

草人:

ホールインワン…それは凄い!ノーベル賞もらうより凄いことです。おめでとうございます。その結果がこの写真紀行・・・なかなかの見ごたえ!さすがですネ
私も掲示板などに載せてはいるのですが、美術品の写真はどのようにして取得なさるのか教えていただきたいのです。例えば武蔵の鳴鵙図などは教科書にも載るような名品ですよネ。当然撮影はお断りのはずですのに…
                   仙台文の会・草人

Posted by: 草人 | 2009年06月18日 10:44

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